26日
高速を降り島々谷に向かって車を走らせる。
晴れていた空はどんより、雪がちらついてくる。しかし、徳本峠入口あたりから青空が広がりはじめ、沢渡につくころには快晴となる。
朝食をとったり準備をしたりで出発がかなり遅くなる。
釜トンネルの中は、新トンネル工事や上高地の護岸工事のために電気がついており、すばやく通り抜けることができた。
シールをつけて歩きはじめる。
大正池から除雪された林道は対岸に渡っており、ようやく雪山の中に入ってゆくことができた。正面には荒々しい岩肌を露出した焼岳がそびえ立ち稜線には雪煙が舞い上がっている。
焼岳に登る谷にもスキーのトレースが延びている。
大正池の湖畔に降り田代池へと向かう。針葉樹と広葉樹の混じりあった疎林の中をゆっくりと歩く。ひときわソウシカンバの白い幹が蒼い空に映え美しい。
田代池は雪原の中に小川が穏やかなカーブを描き流れる。
休憩をしていると1羽の鴨がよってくる。餌付けをされてしまっているようだ。
少し登るとまた除雪された林道に出てしまう。バスターミナルを過ぎたところで工事をしていた。
河童橋にはわんさか人がいる。仕方がないので隅っこでお昼ご飯にする。
ほとんどのパーティ―がここまでで帰っていく。
小梨平キャンプ場の中をとおり、明神へと向かう。トレースはシナの木が多い林を抜け、河原沿いの道となる。
河原を見ると30数頭の猿の群れが梓川の中で石をひっくり返して手を口に運んでいる場面に出くわす。きっと水生昆虫などを食べているのだろう。厳しい自然の中で生き抜いているたくましさがひしひしと伝わってくる。
休憩を取ったあと正面に明神岳が望める絶好の場所で夜を過ごすことにする。ウイスキー1リットルを消費してしまう。
27日
明神岳が朝日に染まるころ起床。たぬきうどんで朝食。
今日は戻るだけなのでのんびりゆくことにする。
ほとんど平らでなかなか滑るところがない。ちょっとでも傾斜があるとスキーは気持ちよく滑ってくれる。除雪された林道はスケーティングで快適。
大正池あたりからようやく奥穂、前穂の稜線が望めた。
大正池から林道を少し登り返したところから最後の滑降に入る。林道を小さなターンで滑る。とても快適であったがすぐにアスファルトの地面が露出しておしまい。
あとは釜トンネルまで歩きタクシーの客となる。
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